忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ジブリ映画『思い出のマーニー』

最初、予告を見た時、

「世界観を象徴するモノが見当たらない」

という点で、興味をひかれづらい作品だなという印象でした。
杏奈とマーニーが、やたら百合っぽいのは気になっていましたが(笑)

しかし、原作既読者のお話から、
「構造そのものに大きな仕掛けがあるタイプの物語」だとわかり、
ネタバレを小耳に挟まぬウチに行くことにしました。

結果は、大正解。

まだ気になるけど見ておられないという方は、
絶対にネタバレを踏まないことをオススメします!
この作品は二度おいしい作品なので。

あと、百合っぽい雰囲気で行きづらいな……と思っておられる方がもしいたら、
劇場へ行って真相を確かめてみてください。ふたりの親密な関係に、納得できると思いますよ!





※ここから先はネタバレになります。見た方だけお読みいただければと思います。




























【物語の構造】
この物語のトリックは、紺野キタ先生の『ひみつの階段』と、とてもよく似ています。


『ひみつの階段』は、古い校舎の記憶の中にときどき生徒が迷いこみ、過去にいた生徒たちと出逢うなど、不思議な体験をするファンタジーな少女漫画です。
百合っぽい雰囲気や女子校の寄宿舎モノが好きな方には有名な漫画かと思われますが…
読んだことがある方には、頷いていただけるかと。
湿っち屋敷が、まさに過去と現在が入り混じる「階段」の役割を果たしています。

「思い出のマーニー」とは、まさに湿っち屋敷の中に残るマーニーの思い出を、
杏奈がなぞっていく物語でした。


【伏線について】
マーニーの正体については、丁寧な伏線とミスリードが施されていると感じました。
核心をついている伏線は、
・「目が青いのね」という信子の指摘
ミスリードは、

・幼い杏奈が抱きしめているマーニーそっくりの人形
です。

ミスリードは、ネタバレを踏んだあとではまず楽しむことができないと思われますが、
それだけに巧妙だと思います。
マーニーの、

・「私を見つけてね」
→後半出てくる日記のことですが、最初は人形のことでは?とも捉えられます。

・「今までに会ったどの女の子よりも、あなたが好き」
→あえて「女の子」と言わせ、杏奈のセリフと比較できるようにしてある。
マーニーは和彦がいるから「女の子」と言ってるのだけど、あの段階では和彦との関係がハッキリしてないので、「女の子の遊び相手=お人形」という捉え方もできるようにしてありますね。

・「マーニーは私の空想の女の子」

だと、杏奈が言っているのもマーニー=実在しないつくりもの、というミスリード。


また、一緒に見に行ってくれた原作既読の友人は、杏奈にとっては次の日のはずなのに、月の形が大幅に変化している点を指摘していました。
真実がわかってから見ると、これに似た伏線が他にも見つかりそうです。


【感想】
最初に「物語の象徴が見当たらない」と言ってしまいましたが、実際に見てみると、
ファンタジーな要素を現実の中にうまく溶けこませた、素晴らしい作品でした。
マーニーの存在がミステリアスで見ていてわくわくできますし、
マーニーについ惹かれてしまう杏奈の気持ちとも、一緒になってドキドキしますし、
真相がわかったあとは、ふたりのセリフのひとつひとつを思い返して感動できます。


原作は児童文学ということですが
主人公のボーイッシュな可愛らしさ、日記やスケッチブック、不思議なお屋敷と、
全体的に古き良き少女趣味な世界観で、
80-90年代少女小説が大好きだった世代にはたまりませんね。

お話も全体的に丁寧に作られているなという印象で、
マーニーが杏奈の祖母であるという真相は、言葉のみでなく映像で順をおって説明してあり、
少女マーニー=祖母マーニーが子供が見てもつながりやすくなっていました。
頼子がもってきた写真での伏線回収はちょっと丁寧すぎるかな?という印象はあります。
杏奈は自分の目が青みがかっていることを自覚してるわけだし、屋敷を知ってもいたので、
久子さんのお話をきいた時点で、察しても良かったのでは…?
ただ、監督は「子供のためのジブリ作品を」という意気込みで制作されたとのことなので、
「とにかくわかりやすくしよう」と考えてのことだったのかもしれません。

最後に、この物語は百合なのか?というと、当然、二人の関係が祖母と孫である以上、百合ではないと思います。
ですが、マーニーは祖母で、杏奈のことを知っていますから、「どの女の子よりもあなたが好き」と言ってる。そして、杏奈をひとりぼっちにしてしまったことに「許すと言って」と言います。
対し、杏奈はマーニーの正体を知らない。「今まで会った誰よりも(マーニーが好き)」というセリフは、杏奈のマーニーへの憧れそのもの。ここに、百合の味わいを見出せるのです。
思春期少女が、はじめて同性へ抱く憧れとほのかなトキメキを。

拍手

PR

Comment

無題
  • 河原
  • 2014-07-30 20:15
  • edit
私も全く同じ意見です!!
Re:無題
  • 新和涼(にいなりょう) 〔管理人〕  
  • 2014-08-03 10:56
>私も全く同じ意見です!!

コメントありがとうございます。共感していただけて嬉しいです。
お名前
タイトル
E-MAIL
URL
コメント
パスワード

Copyright © 涼彩マテリアル!ブログ : All rights reserved

「涼彩マテリアル!ブログ」に掲載されている文章・画像・その他すべての無断転載・無断掲載を禁止します。

TemplateDesign by KARMA7
忍者ブログ [PR]